偏頭痛の特効薬として、トリプタン製剤が2000年に登場し、現在では、注射薬や錠剤、点鼻薬が揃っています。
偏頭痛の特効薬であるトリプタン製剤は医師の処方薬で、市販の解熱鎮痛薬が効かない偏頭痛に効果を発揮します。
偏頭痛薬で最も手軽で広く使われているのは、錠剤です。
ただ、錠剤の場合、効き始めるまでに30分ほどかかるため、重症の偏頭痛患者では、飲むタイミングが遅れると効かないことも多く、また、吐き気がひどいと、飲んだ錠剤を吐いてしまうこともあります。
そんな時に効果的なのが、偏頭痛の注射薬です。
注射後、10分ほどで効き始めます。
しかし、偏頭痛は体を動かすと悪化するため、偏頭痛がひどい場合、注射のために医療機関に行くことが困難であるときがあります。
そこで、偏頭痛の注射薬が自宅で使えるよう、「イミグラン・キット皮下注射剤」(一般名:スマトリプタンコハク酸塩)が、2008年にグラクソ・スミスクラインから発売されました。
使い方は簡単。注射液が入ったカートリッジをペン型の注射器にセットし、太ももに押し当ててボタンを押すだけです。
バネで5ミリほどの針が飛び出して皮膚に刺さり、薬剤が注入されます。
注射液の値段(健康保険での自己負担額)は1本1,000円強で、錠剤(1錠約300円)の3倍以上と高額となっています。