偏頭痛に悩む成人患者のおよそ10%程度は、偏頭痛発作の途中で腹部の症状あるいは異常な腸の活動を訴えているようです。
特に若い人ほどこの割合は高くなり、偏頭痛の副次的症状の一つとして扱われています。
偏頭痛発作時の腹部の症状としては、2種類の痛みが訴えられることが多いとされています。
一つは、強く、絶え間のない、穿孔するような痛みで、通常腹部の上部に現れ、ときには背中まで波及していくこともあります。
穿孔性潰瘍や胆嚢炎などの痛みに非常によく似ている場合があります。
もうひとつが、これより比較的多く訴えられる症状として、主に腹部の右下方に現れる刺し込むような腹痛で、虫垂炎に間違えられることが少なくないといわれています。
また、偏頭痛発作の前期には、腹部の膨張や便秘が起こりやすいことがわかっています。
偏頭痛発作の後期においては、下痢やげっぷといった症状に変化することも多くみられるようです。